ひまわり通信 No.3

 

■カンジダおもしろ体験記

梅雨の季節になりました。すっきりしない天気が続くこの季節は日本特有のものです。最近の住宅は空調設備が整っているためか、「梅雨=カビ」という経験も少なくなりました。湿度が高いことと、膣のカンジダ症とは関係がないだろうと思うのですが、なぜかこの時期カンジダで来院される方が多くなります。そこで、今回はカンジダ膣炎の話です。
 
  <原 因> カンジダ菌:真菌(カビ)の一種
  <症 状> 痒み、帯下(豆腐カス様、カッテージチーズ様)
  <診 断> 顕微鏡でカンジダ菌を確認、あるいは培養検査
    検査しないで特徴的なオリモノで診断することもあります
  <治 療> 抗真菌剤(外用剤、膣錠)
     

<カンジダ体験記>

私は元来丈夫で、カンジダ膣炎とは縁がないと思っていましたが、2年前にとうとうカンジダ膣炎を経験してしまいました。

最初の症状は起床時のムズムズ感です。その日は「何だかムズムズ、チクチクするなあ」程度で、あまり気に留めませんでした。ところが翌朝、痒みで目が覚め、もしやもしやと思っていると、オリモノが多くなり、とうとう豆腐カス様の帯下が出てきました。患者さんの痒みの辛さを体感し、「とうとう私もカンジダになってしまった」ことに、軽いショックもありましたが、貴重な体験として経過をみることにしました。
 
まず、エンペシドクリーム(抗真菌クリーム)を塗布しましたが、これで症状が落ち着くはずもなく、エンペシド膣錠(抗真菌膣錠)を挿入しました。ところが、膣錠が溶けて出てきたときに我慢できないほどの痒みが起こりました。これは外来でもよく経験することで、膣錠を入れた翌日に「痒みが我慢できない」と言って駈け込んでくる患者さんが時々います。しかし、その一時的な強い痒みが過ぎると、今までの症状がス〜と消失・改善するようです。私の場合も同様でした。
 

<抵抗力が低下するとカンジダにかかりやすい!>

カンジダは性病と書かれている本がありますが、私はそう考えていません(そうだったら困っちゃうよ・・)。
時々、抗生剤を飲むとカンジダ膣炎になるという方がいますが、それは体調不良に加えて、抗生剤で常在菌が死滅することも原因となります。そういう方は、抗生剤を飲む時に、抗真菌膣錠を予防的に膣内に挿入すると良いようです。
 

<早く治すコツは?再発を防ぐには?>

カンジダは治るのに約1週間かかるといわれていますが、私の場合は1日で治すことができました。十分な睡眠をとって抵抗力をアップさせ、常在菌を増やして、薬を使わずに治すことも可能で、自然治癒するケースも多いようです。その逆に、薬を使っても睡眠不足や疲れがあるとなかなか治らないようです。
 
再発の予防は、第一に健康管理で、抵抗力の低下はカンジダ繁殖の温床になります。
 

<健康管理は気をつけているのに繰り返す場合>

体調管理はしっかりしているはずなのに、カンジダ膣炎を年に数回繰り返す方がいます。そのような場合は、体質改善も兼ねて漢方を併用して治療を行いますが、上手くいった方が何人かいらっしゃいます。
「竜胆瀉肝湯」という漢方です。是非お試し下さい。
文責(植田)
 

●○● 竜胆瀉肝湯 ●○●(りゅうたんしゃかんとう)

排尿痛・頻尿・帯下などを目標として、膀胱炎、帯下異常、陰部湿疹・掻痒に用いられます。
森道伯という人が体質改善用に考えた処方のひとつです。炎症を抑える生薬(山梔子/さんしし・黄ごん/おうごん)や湿をとる生薬(木通/もくつう・車前子/しゃぜんし・沢瀉/たくしゃ)が配合されています。
 
(ひまわり通信 No.3/2006年6月)
 

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