ひまわり通信 No.6

 

■HRT(ホルモン補充療法)に関する最近の報告

HRT(ホルモン補充療法)は更年期以降のエストロゲン減少に伴う様々な症状を改善させる治療方法です。HRTには発汗・のぼせ・ほてりなどの更年期症状を改善させるだけでなく、骨粗鬆症の予防や治療、尿・膣症状の改善などさまざまなメリットがあります。
 

1.ホルモン補充療法(HRT)の歴史

HRTの歴史は1960年代まで遡ることができます。当時はエストロゲン単独のホルモン補充療法だったため、子宮体癌の増加が問題とされました。しかし、黄体ホルモンの併用で体癌のリスクが減ることが証明されてから、1980年代にHRTは海外で急速に普及、1992年には米国で「すべての閉経女性にHRTを考慮すべき」という勧告まで出され、この頃から日本でもHRTに対する理解が広がり始めました。
 
ところが2002年にWHIという米国の研究で、心血管系疾患と乳癌のリスクが増加したという報告があり、一時HRTの今後が危惧された時期もありました。しかし、この研究には肥満や高齢かつ喫煙などのハイリスク患者が多く含まれていたことが問題として明らかとなり、さらに最近ではHRTを再評価する報告が相次いでいます。
 
(注)
喫煙は、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクになります。HRTを行う場合は禁煙しましょう
 

2.安全で効果的なHRTとは…

最近のHRTに関する報告です。
  (1) 閉経前後からエストロゲン単独投与を開始した場合は冠動脈疾患のリスクが低下した
  (2) エストロゲン単独7年間投与群において乳癌は減少した
  (3) 閉経後早期にHRTを開始するとアルツハイマー病の発症を抑制する
  (4) 経皮エストロゲンは心血管疾患や血栓症のリスクを低下させる可能性がある
 
すなわち、適応年齢やHRTの方法などを検討することで、HRTをより安全により効果的に行うことができるというわけです。当院では、その人に合ったオーダーメイドのHRT処方を行っています。是非、この機会にご相談ください。
   
HRTができない方やHRTをしたくない方はご相談ください。イソフラボンや漢方、HRT以外の骨粗鬆症の薬などがあります。
 

●○● 私が飲んでいる漢方 ●○●

--- 加味逍遥 かみしょうようさん ---

症状が逍遥(あちこち移動する)する方や、さまざまな自律神経症状に用いられます。たとえば、めまい、動悸、頭痛、不安、不眠、いらだち、のぼせ、肩こり、発作性の発汗、便秘などです。下剤作用のある生薬は含まれていませんが、疏肝(そかん)の効能により排便がスムーズになります。
疏肝とは、精神・神経をリラックスさせたり、自律神経系の機能を調節することです。加味逍遥散を飲んで数年経ちますが、気持ちが比較的穏やかになり、イライラしなくなりました。
(文責:植田)
(ひまわり通信 No.6/2007年3月)
 

ひまわりレディースクリニック

<< TOP