ひまわり通信 No.9

 

■ヒトパピローマウイルス(HPV)とノーベル賞

 子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を発見したドイツのハラルド・ツア・ハウゼン博士(72歳)が、2008年のノーベル医学・生理学賞を受賞しました。今年は日本人4名がノーベル賞を受賞し、テレビ・新聞ではそのニュースで持ちきりですが、産婦人科関係者にとってはツア・ハウゼン博士の受賞は大きな喜びです。
 

子宮頸がんはHPV感染が原因

 子宮頸がんは子宮の入り口(頸部)にできるがんです。ツア・ハウゼン博士は、83年に子宮頸がんの組織から、HPVというウイルスが高率に検出されることを発見しました。このウイルスはごくありふれたもので、性交渉の経験を持つ女性のほとんどが一度は感染するといわれています。
 HPV感染の大半は自然消失しますが、およそ10%が持続感染を起こすと報告されています。仮に持続感染した場合でも、子宮がん検診を定期的に受けることで、子宮頸がんを早期発見・治療することができます。
 

HPVワクチンの開発<子宮頸がん予防の時代へ>

 また、HPVのワクチンが開発され、世界で使われています。風疹や麻疹などのウイルス感染をワクチン(予防接種)で予防するように、HPV感染とそれによる子宮頸がんもワクチンで予防することができます。
 
 HPVには、がんを起こしやすい高リスク型HPVと、がんにならない低リスク型HPVがあります。高リスク型HPVは15タイプ以上ありますが、世界で広く使われているワクチンはHPV16型と18型で、日本でも現在申請中です。
 さらに、つい最近、多数の型を幅広くカバーできる新ワクチンが、日本で開発されました。これもノーベル賞に匹敵するくらいの発見・開発だと思いますが、受賞するのは何十年も先のことでしょうね。
 

 

●○● 桂枝加芍薬大黄湯 ●○●

(けいしかしゃくやくだいおうとう)
 
 カゼの時に用いられる漢方に「桂枝湯」(けいしとう)という漢方があります。桂枝湯の中の芍薬を増やしたものが「桂枝加芍薬湯」(けいしかしゃくやくとう)、さらに、そこに大黄(だいおう)を加えたものが、「桂枝加芍薬大黄湯」です。
  大黄は、大腸を刺激して蠕動を亢進させて排便させる作用があり、市販の下剤にもよく含まれています。一方、芍薬は腸管の痙攣を抑制する働きがあるので、便秘しているけど強い下剤を用いると腹痛を起こすなどの排便異常があるものに「桂枝加芍薬大黄湯」が使われます。また、芍薬の作用を利用して、腹部膨満、腹痛などに使う場合もあります。
 
(文責:植田)
(ひまわり通信 No.9/2008年10月)
 

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