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院長ブログ

「風に舞いあがるビニールシート」

我が家には直木賞受賞の未読本が山になってます。

昨年、夫が「蜜蜂と遠雷」(恩田陸著 156回直木賞)に感動し、

過去の直木賞で読んでない本を買って読もう!

なんて言い出したからです。

 

先週読んだのが森絵都(もり えと)さんの

「風に舞いあがるビニールシート」(第135回直木賞)。

テーマは「難民問題」。

ちょうどミャンマーのロヒンギャへの迫害が問題になってますね。

死者は1万人、70万人以上が国外で難民となってるそうです。

いつまでたっても世界のどこかで、

難民問題が続けて起こっているわけです。

 

「風に舞いあがるビニールシート」は

国連職員の夫婦、エドと里佳の話です。

夫のエドはフィールド勤務、

妻の里佳は東京の事務所勤務。

エドはアフガンで亡くなりますが、

その死の描き方がとても温かく感動します。

フィールド勤務とは、

アフガンなど紛争やテロの現地に行き、

難民の支援活動をする仕事で、

一時帰国は年1回くらい、

長くて10日、短ければ5日。

フィールド活動をする国連職員の離婚率は高く、

エドと里佳も離婚してしまうわけですが、

その後しばらくしてエドはアフガンで殺されます。

 

強姦されようとしていた13歳の少女を救おうとして

銃で殺されました。

少女の名はソワイラ。

「倒れた男性(エド)の下敷きになった形で地面に伏したソワイラは、

暴漢が去ってからもキャンプの人間に発見されるまで、

そのまま動かずにいたそうです。」

「彼女を守ってくれた外国人の体が大きくて、

温かくて、安心に思えたから、と」

素敵な描写ですね。

エドの体と心の温かさが感じられます。

そして一縷の希望が・・・・

ソワイラから話を聞いた通信社の記者はこう語ってます。

「ソワイラは、国際機関で働くのが将来の夢だと僕に打ち明けてくれました。」

その話が里佳の心を動かし、彼女はある決断をします。

 

紛争や戦争の現場ではレイプは普通の出来事です。

『(ミャンマーからの)報告書には正視にたえない記述が並ぶ。家に火が放たれ焼け死んだ人たち。親の目の前で殺された子どもたち。女性たちは集団レイプの標的になった。「私は運が良かった。3人からしかレイプされなかった」とは生存者の証言である。』(朝日新聞 天声人語より)

私たち女性にとって、

目をそむけたくなるような、

耳をふさぎたくなるような話です。

そんな厳しい状況でも、

一縷の希望と温かさを感じさせてくれる小説です。

 

 カテゴリー:読書、本  2018年09月09日

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