典型的な更年期症状といえば、突然襲ってくるホットフラッシュ（のぼせ・ほてり）や発汗などがあります。

それだけではありません。

動悸、不眠、不安なども更年期症状の可能性があります。

このような症状で受診された患者さんに、「更年期症状ですね」と言えればよいのですが、

なかなか断定できないこともあります。

動悸はパニック発作かもしれないし、

不眠や不安はストレスが原因かもしれない。

特に、東日本大震災の時もそうでしたが、コロナ感染の影響で不安症状を訴える方が増えた気がします。

更年期症状なのか？どうなのかわからないという場合は、こんな風に対応してます。

月経が順調で明らかに排卵を認める方は更年期症状ではないですと申し上げます。

更年期症状を完全に否定できない場合は、女性ホルモン関連の検査をします。

結果が出るので1週間かかるので、その間にエストロゲン補充をしてみます。

HRT（ホルモン補充療法）のことです。

1～2週間後、症状の改善傾向がみられて、ホルモン検査も周閉経期（閉経が近くなっている状態）であれば、更年期症状ですねということになります。

そこまで検査やお試し治療をしても診断に至らないこともあります。

例えば、ホルモン値は周閉経期なのに、エストロゲンが効かないというケースなどです。

その場合は、しばらくHRTを続けてみることもあります。

それでも症状が改善しなければ、HRT以外の治療方法の検討が必要です。