令和２年12月25日に4価HPVワクチン「ガーダシル」の男性への接種が承認されました。

また、効能・効果に「肛門がんおよびその前駆病変」の予防が追加されました。

（HPV:ヒトパピローマウイルス）

ガーダシルは、がんの原因となる16型・18型と、良性の尖圭コンジローマの原因となる6型・11型の4種類のHPV感染を予防するワクチンです。

HPVが原因のがんは子宮頸がんだけではありません。

男性もかかる咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどの原因にもなります。

そのため、海外では102の国または地域において男性への接種が承認されてます。

オーストラリアは男子も公費で接種ができます。

女子も男子もHPVワクチンを接種することで、オーストラリアでは集団免疫効果もあらわれてます。

集団免疫ができると、ワクチンをうたない人のHPV感染率も低下させることができます。

日本でもようやく男性への接種が承認されました。

今までは未承認でしたが、私たち産婦人科医は、自分の息子に接種するのは当然だと思っているので、私も息子にうちました。

おそらくそれは、肛門がんなどの予防というよりも、将来のパートナーを守るためという気持ちの方が強かったと思います。

承認はされましたが、男性への接種は自費です。

また、市販後調査などが実施されるため、接種できる医療機関は限定されると思います。

将来は男子も定期接種になることを期待します。