日本産科婦人科学会から「妊娠中の体重増加指導の目安」が示されました。

かつては妊娠中に体重が増えすぎて、肥満は難産や妊娠中毒症（現在の妊娠高血圧症候群）のリスクが上がるということから、「体重増加を抑えましょう」という指導が行われてきました。

今から20～30年前ですね。

ところが、最近はやせた妊婦さんが増えてきて、むしろ母親の体重が少ないことによる赤ちゃんへの影響が問題になっています。

さらに、体重制限による妊娠高血圧症候群の予防効果を示す証拠も乏しいことがわかってきました。

そこで、日本産科婦人科学会では、妊娠中の体重増加指導の目安を示してきました。

普通体重なら、妊娠中の体重増加の目安は10～13㎏。

昔より3㎏多いです。

20～30年前は普通体重の妊婦さんの体重増加は7～10㎏と言われてました。

私も助産師さんからそのような指導を受けました。

産婦人科医ですが、研修医だったし、妊娠したら他の妊婦さんと同じです。

実際は11㎏増加。

20週までに5㎏増えちゃったので、後半は増えすぎないように頑張りました。

新しい妊娠中の体重増加の目安です。

BMI＝体重（㎏）÷身長（ｍ）÷身長（ｍ）

妊娠前体格　　　　　　体重増加の目安

低体重（BMI＜18.5）　　12～15㎏

普通体重（18.5～25）　　10～13㎏

肥満1度（25～30）　　　 7～10㎏

肥満2度以上（30≦）　 　 個別対応

妊娠中も痩せていると、生まれてくる赤ちゃんへの影響だけでなく、骨粗鬆症や出産後の骨折のリスクも高くなります。

しっかり食べて適正体重増加を目指しましょう。